「あんまりからかうと車から降ろすからな」 そう言うと彼女は笑っていた。 「…一ノ瀬さん、全然悪い人なんかじゃないじゃないですか。 あんなこと言わなくてもよかったのに…」 …自分でもいまさらながら弁解してしまったことにびっくりだ。 本来は悪い人で済ませられたらそれでよかったのに。 調子が狂ったのは君のせいだよと言いたかったが、ここは我慢。 「あんまりそこは気にしないで。 俺も何であんなふうになったのか分かってないから」 そう言ってごまかした。