「わかったわかった。 こんなことされたら、また襲いたくなるから」 そう言って笑うと、はっとして彼女が腕を解いた。 …そのリアクションはちょっと寂しいな。 なんて思ってしまう。 「ごめんなさい、嬉しくてつい…」 「冗談だよ」 動揺している彼女をなだめるように、頭を撫でてやった。 そのあとは、本当にたわいのない話をしているうちに駅に着いていた。 会社帰りのサラリーマンやらOLで、駅前は忙しない。