12:00 ケータイからメールの着信音が流れた。 開く前から大体メールの内容の予想はできた。 『今日、20時にスタジオね。 メイクはピンクとベージュ系でまとめて、髪は適当に巻いてほしい。 ちなみに衣装は赤だから、考慮して。 金額は…仕上がりを見てからでいいかな?』 やっぱりね。 こんな業務連絡以外の何物でもないメールを受け取っても、もう悲しいとも思わなくなってしまった。