游冬は幼い頃からずっと瑞穂のことが好きだった。

しかし瑞穂には全く恋愛対象として見られていなかった。

瑞穂は見た目は女の子っぽいが、恋愛には全く興味がなく、恋愛よりも友達といる方が楽しいと思っているような子だった。

そのため、游冬のこともただの幼馴染としか思っていなかった。

「游冬くん。もし良かったら、家で一緒に夕食食べていかない?」

凜は游冬を夕食に誘ってみたが、游冬は…。

「遠慮しておきます。母が夕食を作って待ってまいますので。それに、今日はこれを届けに来ただけなので。」

「これは?」

「葵さんに頼まれていた機械の部品です。葵さんに渡していただければ分かると思いますので、お願いします。」

游冬は凜に機械の部品を渡して、瑞穂の家を後にした。