「行ってきまーす!」 こんな状態では、もちろんヘラヘラする余裕もなく、眠たい目を擦り、食パンをくわえながら慌てて学校に向かった。 真っ白な肌によく映える、長い黒髪を揺らして。 ただ、この時までは何も知らなかった。 この寝坊が笑の学園生活を大きく変えることになるなんて。 運命なんてものがあるというのなら、これを運命をいうのだろう。 ただ、誰もが真っ先に思い描くようなロマンチックな運命ではない。 ちょっと変わった運命だけど。 笑は、ひたすら学校に向かって全力疾走していた。