コンビニラブ

仕事帰り、店に寄ったアンは、
いつものようにヨーグルトとを手にしていた。


「あれー、敏ちゃん!今日はぶっとーし?」

「お、お帰り!今日は伸治くん友達と花火見に行くんだってよ!」

「へ〜。ふふっ。そーなんだぁ。」

「デートかね?」

「だって友達と花火って、ねぇ〜!」

「小学生じゃねんだからなぁ!」

「あはは、ホント!おやすみ〜!」

「おう、お疲れ!」



学生のバイトと違い、仕事を持つというのは大変なことだ。


エレベーターを降り、
一度は通り過ぎた、吉野の部屋の前に戻って、インターホンを押してみるが、

……なんの反応もない。


「バイトかな?」


アンはトボトボと帰って行った。



その日、なんとか雨はまぬがれた。


花火を見に行く途中、
かき氷とたこ焼きを買った二人は、
去年、伸治が友達と行って観たという場所に着くと、花壇の仕切りのポールにちょこんと腰掛けた。


「食う?」

「あ、うん。青海苔のないとこ…これが良いかな。」

少し冷めたたこ焼きを頬張った由衣は、
自分もかき氷を差し出して言う。

「食べる?」

「あ、いいや。イチゴ甘いし。ありがと。」

「やっぱマンゴーにすればよかったかなぁ?」