コンビニラブ

「次が決まって、慣れるまでのことだから。」

「そしたらつきあうの?」

「…夏だしね。」

「な〜に、そのアバンチュ〜ル的要素を匂わす言い方。」

「うまくいかなくても、せつなくならないだろ…陽気的に。」

「誰が?」

「俺が。」

「…ねぇ。いったいどんな恋愛をしてきたの?」

「たいした経験してないよ。」

「コラ伸治。ビビってんじゃね〜ぞぉ!」

「今度誘ってみるよ…夏祭り。」

「あ…」

「ん?」

「うううん。なんでもない!」

「?」



アンを降ろした帰り道、
伸治は思い出していた。


(さっき、何か言いたそうだったなぁ、あいつ…なんかあったのかなぁ?だいたい、人のお節介なんかするほど、自分だって経験あんのかよ!)


すると、ドラマで観たアキラの姿が頭に浮かび、

(相手によるか…)

納得した。


(俺も頑張るかな〜。…何をどーすればいーんだ?何が違うんだろ?)


伸治の頭の中に、アキラや吉野や檜垣。
自分が知っている、あらゆる男の顔が過っていった。