そのうちに充電がなくなり、
電話をコードに繋げたまま、
結局、
実物を見に、アンの部屋に出向いたというワケだ。


自分で造ったものだし、
すぐに済むという確信もある。


もちろん、
ちょこっと、接続部分をいじっただけで、
すぐに明かりは灯った。


「だいたい雑なんだよ。無理に引っ張ったんだろ?」

「そんなことないですぅ。」


そう言って立ち上がったアンは、部屋の電気のスイッチを切り、


「直った〜!良かった〜!」


その笑顔を見て、
とりあえず、心配は無用だと確信する伸治は、

「さてと!じゃあ、戻ろっかな!」

と、立ち上がった。


「いつもありがと。」

「こんなことなら、いつでも言ってよ。」

「あ…あのね!」

「ん?」


このとき思わず、
由衣と吉野のことが、口をついて出そうになったアン…

それもすべて、
暗がりに輝くプラネタリウムの灯りと、
伸治の優しい笑顔のせいに違いない。


とっさにライトのスイッチを点け、
誤魔化しついでに、
アキラの話題を出したのだった。


「アキラとはね、ホントにもう終わったの!」

「え!?」