コンビニラブ

(何考えてんだ俺?!)

胸の高鳴りとともに、
何とも言い表わせない騒めきが、過っていくのが分かった。


あえて、それを深く追求しないようにして、
あわてて由衣の携帯に電話をかける伸治。


が、……―……―……

その電話に出てはもらえず……


『ごめん。あのあと、冷静になって考えてみたら、やっぱり、俺があんなこと言える立場じゃなかったです!反省してます!いつもいつも、こんな俺のそばに居てくれて感謝してます。連絡待ってます。伸治。』


このメールを、由衣が見たのは、いつだったのだろうか…?


「携帯鳴ってる。」

「いいの!」

「…伸治くんからだよ、きっと。」

「わかってる!」


その時、由衣は
自分の家のそばの公園に、
ある人物と二人でいた。


伸治の家を飛び出し、
むしゃくしゃして吉野に電話で、愚痴をこぼしながらの、
家路へと向かう途中に、
追い掛けて来たのは伸治ではなく、
吉野だったというワケだ。


「て言うかさ、俺たち何もない訳だし、そんなに身構えなくても良いと思うんだけど…」

「だめ!伸ちゃんから紹介でもされなきゃ、接点がないもん。」

「そーかなぁ?こんなに近くに住んでるのに?いつかはどっかで出会ったんじゃね?」

「もう!そーやってスラスラ出てくる言葉って、どーゆーつもりで言ってるわけ?」

「…こーゆーつもりだけど。」