コンビニラブ

その日、大学から戻った伸治は、
由衣との約束に、
一度、部屋に戻ってから向かうつもりだった。

が、

睡眠不足の伸治は、
うっかり横になった途端、ベッドに吸い込まれていくように睡魔に襲われ、
あっという間に落ちていった…。



伸治が来るのを、今か今かと待っている由衣。


何度かけても繋がらない電話。

それもそのはず、
マナーモードにしたまま、バッグパックの中に入りっぱなしなのだから。

それでも、
マンションに行くきたい気持ちを抑え、
とにかく、ひたすら待ち続けていた由衣は、
たまらず、吉野に電話をかけていた。


「久しぶり。」

「伸ちゃんと電話が繋がらないの!」

「また?いつもそんなだね。」

「アキラ騒動となんかあるのかと思って。」

「は?」

「嘘!あっちこっちで出まくってるじゃん、アンの名前。」

「だから?」

「ボディガードでもさせられてんじゃないかと思って。」

「はいはい、部屋見てきますよ。」


電話を切った吉野は、階段で伸治部屋に向かった。


今はまだ、人集りは出来ていない。


朝のロケにも、マスコミらしき者は見当たらなかったと若旦那から聞いている。


それから数時間後、
事態は加熱していったのだが…