コンビニラブ

そしてもうひとつ、

アンがキョトンとした顔で、
自分を見ていたことも
なんとなく覚えていた。


(こんなことがあったんだから、当たり前か…)



とにかく、
何があったのかを問いたださなければ、誤魔化しようがない。


テーブルの椅子を引っ張りだし、
なんとか由衣を座らせると、

「バカじゃねーの!!」

さすがに怒鳴り声をあげる吉野。


「だって、やっぱり気になったんだもん!」

「…どうする?伸治くん呼ぶ?」

「ダメ!!お願い!言わないで!」

「難しいよ!どうせ、あっちから情報漏れるって!」

「謝る。あたし、謝って頼んでくる!言わないでって!」


立ち上がる由衣の腕を掴む吉野は

「俺から言っとくから!」

と、もう一度椅子に座らせた。


「とにかく!…落ち着けよ。」


自分にも言い聞かせるかのように、
深呼吸をした吉野は、
クシャッと頭をかいた。


そんな吉野を見て、

「ごめんなさい…。」


そう呟く由衣と、
テーブルを挟んで向かいに座り、
やっとのことで、
事の成り行きを聞けることとなった。