コンビニラブ

それからと言うもの、
由衣が吉野の部屋を訪れることはなくなった。


「あ。(伸治くんだ。)」

バイト帰りの吉野の足は、自然にコンビニへと向けられ…

「いらっしゃいませ。」

「まだ入ってるの?」

「例のヤツで若旦那とチェンジっす。」

「早くマネージャーが着きゃイーのになぁ。」

「そうだ!聞いちゃった!女、連れ込んでたって?!」

「…そんなんじゃないよ。」

「安心したよ俺。女に興味ないんじゃないかってア…イツが言うからぁ。」

「勝手に言ってろ…じゃ、おやすみ。」

「ちょちょちょ!なにテレてんすかぁ?い〜じゃないすかぁ!」


伸治の様子を見たかっただけの吉野だったが、
名前は出なかったものの、
話題にあがった女性が“由衣”のことだっただけに、
冷静を装って見せながら、
内心は焦っていた。


「そんな伸治くんはどーなの?最近。」

「何がです?」

「彼女とウマくいってんの?」

「まぁー、普通に。」

「若いんだから、もっと盛り上がれよ。」

「あ、話ごまかそうとしてるんだぁ!」

「友達だよ!ちょっと相談にのってたんだ…今は…ウマくやってるみたい。」

「なんだぁ。」

「はい、お疲れ〜。」


伸治を通して由衣の近況がわかる。
そして吉野は
安心して部屋に向かうのだった。