ここ数日、
由衣はさかんに、伸治の部屋に顔を出すようになった。

下で雑誌を買ってから上がってきては、
こうして、世間話(?)に付き合わされ、
いつしか、
伸治も情報通になっていった。

と言っても、だいぶ偏ってはいるが…


恋人どうしなワケだし、
不思議に思うのもおかしな話だけれど、

「どうしたの?最近。」

さすがに、伸治はたずねた。


「そろそろ、夏も終わるしね!」

「はぁ…。」

「なぁに?迷惑?」

「まさか!」

「じゃあイ〜じゃん!」

「いや〜、この部屋じゃ、なにかと不便だと思って。」

「…コンビニの上ってゆーのは便利だね!エレベーターの扉が、冷蔵庫の扉に見えてくるよ!」

「…バイト先って以外、何とも思えないや、俺。」

「伸ちゃんはねー。でもほら、新商品がすぐ手に入るのはコンビニの特権じゃん!サービスだっていき届いてるしさ!あたし、ここに住み変えようかなぁ…」

「何言ってんだか。」

「あれ?今、めんどくさそーだったよ。」

「そんなことないよ!!」

「…つーかさ、そろそろほしーなぁ〜。」

「!なに?その大胆な誘い方!」

「違うって!合鍵のこと!」

「あ〜!合鍵ね!」

「そう。」

「…今度、作りにいかないと…」

「うん!」