コンビニラブ

「はい、どうぞ。」

吉野は麦茶を差し出した。


「ここの住民で、伸ちゃんのこと狙ってる女が居るって!知ってる?」

「誰が言ってんの、そんなこと?」

「下の馬鹿バイト!」

「ははは、確かに馬鹿だね、そのバイト!」

「で、知ってるの?」

「狙ってるかどうかは知らないけど…ここの住民のことなら知ってるよ。」

「どんな女?」

「俺からしてみれば、妹みたいな、可愛い子だけど。」

「伸ちゃんは?」

「んー。…直接聞いたことは無いからわかんないけどぉ、仲は良いよ。」

「仲って!?」

「それは…」

「それは?!」

「兄妹!伸治くんも弟みたいなモノだから、そう見えちゃうのかな?」

「それは、あなたの感覚でしょ?!」

「でも、そんなふたりを見てるのは俺だから!」

「やめてくれる!そんな言い方!」

「だって、そーなんだもん。君と伸治くんがつきあう前から!…君のことも色々聞いたよ!」

「!」

「だから、君に親近感があったのかなぁ、俺。」

「やめてください!」

「すみません。」

「…」

「伸治くんに聞いてみればいいのに。」

「まさか!」

「…ここには来たくせに?」

「…」