「前の赤ちゃんは・・生きることができなかったの。
生みたくても、ちゃんと生んであげることができなかった。
でも・・今この子は生きようとしてる。小さいけれど生きようとしてるの。
殺すなんて絶対にできない」
 
 翔太には、敦司とはずっと寝ていないと言っている。
そのことを疑うとか責めるのではなしに、
ただはっきりと今回は堕して欲しいと言う翔太の真っ直ぐさが、好もしかった。

受け入れられないことで、安堵と愛しさが心に満ちる。
出来ないことを出来ると言わず、
はっきり何もしてやれないと言って自分を責める翔太を、
朝まで抱き締めて眠りたいと思った。