敦司の匂いがする布団に顔を埋めながら、
結局ここを出て行くことなどできるのかと自問する。
でももう後には戻れない。
自分で引き起こしたことだ。
どうしても絶対に子供は手離せない。
ならば前に進むだけだ。

 子どもの父親はどちらかわからなかった。