薔薇の欠片



そして突然に
彼はくすくすと笑い始めると、


冷たく彼は言い放った。



「……バカだな

 本当……あいつは……」



私はわかった。


彼は、笑ってるんじゃない。

泣いてるんだ。



「アイツ以上に、気の合う奴なんていなかったのに
 弟みたいだったのに……」



玲さん、と言いかけてやめた。

彼が話してくれるまで、少し待つ。



「ここで、アイツは日の光に当たりに行ったんですよ」



なんとなく、わかっていた。


私も、もし吸血鬼だったなら

この場所で日の光に当たりに行ったのかもしれない。



彼がどのくらい苦しいのか、私にはまだわからない。


だけど、
いつかその苦しみも私にも分けてくれるかな。



「吸血鬼は、普通人間を嫌うんです」



彼の言葉が痛い。