彼の声のトーンが少し下がった気がした。



「例えば、日光にアイスを当ててたらどうなると思います?」


「溶けますね」


「それと同じです」



彼は私に向き直って無理矢理につくった笑顔を見せた。



「日の光になんかあたったら、溶けてしまう。

 昔、いたんですよ。日の光に当たった奴が……」



“奴”というのは、やはり吸血鬼のことなんだろう。



「彼は、自ら日の光に当たりにいったんです……」