薔薇の欠片




目を覚ましたとき、


月が顔を出していた。



悪に染まる、夜。



僕はあのとき


そう言ったけど、違うな。



それは僕の思い込みだったようだ。



僕は起き上がって

海からもらった服に袖を通す。


サイズがぴったりだったことに驚いた。




洋館を出た僕はそのまま夜の空へ飛び出した。


向かう先は決まっていた。