薔薇の欠片




彼女も笑っていた。



太陽、みたいだと思った。



見たことは無いけれど、

こういうものだと思った。




「……嬉しい」




一粒の涙を落として彼女は言った。


そして、


彼女は誘われるように眠りに堕ちていった。





本能なんて関係無い。



代わりに僕を支配するのは彼女。




眠っている彼女は

幸せそうだった。




もう、牙を突き刺そうだなんて思わない。