僕の口から笑いが漏れる。
熱い彼女の頬に触れると、
笑いとは反対に虚しくなった。
「悲しい? 恐い?
それとも憎いかい?
そういう感情が、僕は大好きだ」
そう、
好きだった。
そんな感情があったから、
僕は人間を狩れていたんだということに気付く。
だから全部見せろ。
軽蔑、嫌悪、憎悪……
隠さなくていいんだよ。
早く……
「……僕に出会わなければ、君はもっと幸せな生活をおくることができたのに」
哀れむように言う僕の言葉に、
彼女は首を横に振った。
僕は眉をひそめる。
「……?」
「貴方に出会わなかったら、きっとこんな感情しらないままでした」