僕はその次の日、
気晴らしに街へ出た。
いや、気晴らしなんて本当は嘘で
何かいい獲物がいたら、憂からそいつに乗り換えるつもりだった。
そうして、
僕のことを憎めばいい。
雨が降りそうだったこともあって傘を持っていた。
何かと便利なんだ。
傘の陰に隠れて獲物をじっくり殺せばいい。
そう思いながら街を歩いていると見覚えのある後姿を見つけた。
違う女を探していたのに
どうして君を見つけてしまうんだ。
気づけば追いかけていた。
黙っていれば、気づかれなかったのに。
どうして、
彼女の手を掴もうと思ったのだろう。
彼女は肩をびくつかせたが、彼女はすぐに僕だとわかったのか振り返った。
「玲さん」
「お出かけですか?」
「ええ。でも、雨が降りそうだから……」
もったいない、と僕は言う。