僕の瞳の色は確かに銀だ。
牙だってある。
体温だって、無い。
だけど町を出歩くときに目立ってはいけない。
だから目の色を術で変えた。
牙はなるべく見せないように気をつけた。
体温がないことが
バレないように手袋だって付けた。
「貴方は、軽蔑しないんですか?」
彼女の顔は見えなかったが、
きっと強い瞳で言ったのだろう。
「しません」
いつまで、そんな綺麗事がいえるんだ。このお嬢様は。
「僕が貴方を殺してしまうかもしれないのに?」
彼女は怯まずに言う。
「ええ」
いつまで、綺麗事を言うんだ。
「それが、君の答え?」
僕は口調を変えてしまったことに、しまったと思い彼女の手を解いた。