薔薇の欠片



止めなければいけない。

計画が狂っていく。



「私……」



彼女は呟く。



「どうして……」



僕は彼女を放して彼女を見た。


辺りは闇がかかり始めていた。

電灯が所々点き始め、僕らを照らす。



「僕は……」



彼女の濡れている瞳を見る。



「どうすれば、

貴方を泣き止ませることができますか?」



僕が、悲しくなる。


彼女は僕の胸に顔をうずめると、優しく繊細な声でささやいた。



「そばに、いてください……」



この女は、本気なのだろうか。

僕にこんなことを言うなんて。



「……その役目は、僕でいいんですか?」



彼女は頷いた。