「やっぱり、アンタか。雪月。」








「・・・ごめんなさい。」






場所は変わって、凪雛の座敷。







シュンとして、座る雪月の前に眉をひそめて向かい合う女性。







美楼閣売上第一位。







凪雛 ナギヒナ。







その美貌は、吉原一と詠われ、吉原においてその名を知らぬものはいなかった。









「困った禿だね。引っ込みになって半年も経つのに・・・」








大きくため息をつきながら、懐から煙管を取り出し火をつけた。







「まぁ、今回はちょっとした失敗でありんす。」








「失敗が五回も続くのかい?」







凪雛は呆れた顔で、雪月を見た。