「吉原・・・だろう?」






尚五郎は俯いて答えた。





雪月は、凛とした瞳で立ち、尚五郎と向かい合った。







「そう、ここは吉原。男と女、女と女の戦場でありんす。」








「そして・・・地獄でありんす。」








「貴方様がこちらにいらっしゃられたとき、わっちは負ける気がしませんでした。地獄生きる華が、外界でのうのうと生きる男や女に負けるはずありんせん。」








「ですが・・・」






「わっちは、貴方様に救われました。ここで生きる華として、人として、大きく成長できたのは、尚五郎さんのおかげでありんす。」








「どうです?地獄で生きる華の様は・・・」







笑顔で、尚五郎を見つめた。







「美しいよ・・・美しかった、最後まで・・・・・・」