「え?」







雪月は、顔を強張らせて呉葉を見た。






「さっき、今井様のご子息がいらしてたんでしょう?何か、あった。」







「雪月ちゃんの様子からして、尚五郎様に・・・」







呉葉は、振り返って雪月を見た。







「惚れられた。」






雪月は、手をぎゅっと握りしめた。







「図星か・・・」







紅葉が、夕日に染められ赤く光っていた。







「ど、どうしたらいいでありんすか?」







呉葉はただ黙って、赤く輝く紅葉を見つめた。






雪月は諦めて踵を返した。