「尚五郎さん、最近腕上がりました?」







尚五郎は、ここ三日とあけず美楼閣へと訪れる。








「い、いや?」








「そうですかー。ワタクシの腕が落ちちゃったのかなぁ・・・」








そう考え込む雪月を、尚五郎は盗み見した。








腕が上がったというのは、本当だ。







ここ最近、尚五郎は碁に励んでいるからだ。








今度こそ雪月に勝って見せよう、と・・・








しかし、今回も碁盤を制したのは雪月だった。








「ふふふふ。尚五郎さんも、お可愛いところあるんですね。」