「あとは・・・」







「尚五郎とかいうガキとどうなるか?」







「わっちは、雪月に賭けるがね。」









氷雨が、珍しく興味深そうに言ってきた。







「向こうは、容姿端麗・才色兼備。向こうの世界の王子でも?」








「ああ。あんなしょぼくれたガキに、雪月が負けるとは思わねぇ。」









「勿論、わっちのトコのお閖でも負けるとは思わねぇよ。」









氷雨はそれだけ言うと、座敷へと戻って行った。







「楽しみだねぇ・・・」








それまで黙っていた凪雛が、言った。







そんな凪雛を見て、呉葉はニヤリと笑って、自分も座敷へと戻った。