「雪月。」






尚五郎が帰った後、庭でたそがれていると、凪雛がやってきた。







「どうだ?」







尚五郎のことだとすぐに分かった。







最初では、客に啖呵を切って・・・







折角の時間は、碁などの勝負に費やされている事は話していない。







「ま、まぁまぁでありんす。」








「碁も将棋も和歌も学問も・・・どれ一つとしてアンタが負けるはずないでしょう?」








凪雛が悪戯に微笑みながら言った。







(バレてる・・・)







「そうではありんすけど、なんでそう思うんですか?」








雪月が、聞くと凪雛は一瞬戸惑った表情を見せたがすぐに、いつも通りの凪雛になった。








「わっちが教えたんだから、他所もんに負けるはずありんせん。」