「あの、尚五郎様、ワタクシはまだ引っ込みですから・・・」








「気にするな。」








そう言って、まだ一層寄ってくる。







普通の遊女だって、初回からこんなことは許されない。








もともと、多少ながら短気な雪月は頭に血が昇ってきた。







(ダメっつってんでしょうが!!)








「あの、尚五郎様。」








「なんだ?」








人懐っこい笑顔のつもりなのだろうが、その顔が一層雪月の怒りい火をつけた。








「こういう事は、禁止されていまして・・・」