恋する姫の1年間

「えーコホン」
執事の清水がマイクに向かって何か言おうとしている。

「えー、これから紹介する方はミーシャ王国のジェシー王子です。さぁ、みなさん盛大な拍手で迎えましょう。」

ミーシャ王国?
王子?

そんな人いたっけ?
名も知れていない小さな国の王子様?

盛大に拍手され現れた人物は今まで見てきた中で1番輝いて見えた。

「う・・・・わぁー」

かっこいい!!
紳士的・・・

「今、ご紹介されましたミーシャ王国から来ましたジェシーです。ミーシャ王国という名前を初めて聞く方が多いと思いますので、少し説明をしていきたいと思います。私たちミーシャ王国の者は他の国とは違い生産して生活をしているわけではないのです。」

ん?生産しないってことは、農業とかしていないの?!
そんなんじゃ生活できないじゃない!!

「私たちの国は主に開発事業に力を注いでいて、ここ数年ようやく実り始めたのです」

開発事業・・・?

「例えば、薬や電機製品。ここ最近いろいろな国で使われているのはミーシャ王国のものです」

えっ?!でも製品元の名前が違うじゃない・・・

「製品名はグローズ」

ググググ、グローズ?!

思わず声をあげそうになった。
案の定、会場の中はざわざわし始めていた。