「みんなっ!
練習しよ――」
旅行!!旅行!!旅行!!
あたしの頭の中にはそれしかない!!
「みんながするんだったらする―」
魂胆が見えてるよ紗月さん
「しんどいから俺帰るわ」
そう言ったのはもちろん栗柳稜
「も―
みんなでしなきゃ意味ないじゃん」
競技はもちろんリレー
バトン渡すのぐらいは練習しなきゃ
「俺は忙しいんだ」
「帰ってもなんにもやってないじゃん」
「うるさい
今日は忙しいんだ」
「もー
お願いするわ
旅行のためだと思ってさあ!
本当にお願いっ」
そんな事を言いながらあたしはずっと
栗柳稜につきまとっている

