10センチ彼氏

視線を向けると、わたしの大好きな優しい笑顔を浮かべている君博さんがいた。

「由美子ちゃん、何て言ってた?」

そう聞いてきた君博さんに、
「“お幸せに”って、言われた…」

わたしは答えた。

そう言った由美子先生は、わたしと君博さんが恋人同士だったことを知っているような気がした。

君博さんはクスッと笑うと、
「由美子ちゃんらしいや」
と、言った。

子機を戻したわたしは、
「あれで、よかったんですか?」

君博さんに聞いた。

「うん、よかったよ」

嬉しそうに君博さんは首を縦に振ってうなずいた。