10センチ彼氏

「でも悪かったのは私よ…。

あんなことを言ったから…」

言葉が続かなかったのは、泣き崩れたのだろう。

そう思いながら、私は2人のことを見つめた。

「――本当に、ごめんなさい…」

泣きながら由美子先生が君博さんに謝った。

「もう気にしなくていいよ」

それに対して、あやすように君博さんが言った。

「もう謝らなくていいよ。

その気持ちで充分だから」

そう言った君博さんに、由美子先生はまた泣いたかも知れない。

わたしも一緒になって泣いていた。