10センチ彼氏

「本当のことを言うと、彼がいなくなったのは私のせいなの…」

ポツリと、小さな声で由美子先生が言った。

私のせいって、
「――どう言うことなんですか…?」

恐る恐る、わたしは聞いた。

由美子先生のせいって、一体どう言うことなの?

君博さんとの間に何があったの?

「君博さんがいなくなる前の夜に、彼とケンカしたの」

悲しそうに目を伏せると、由美子先生は言った。

ケンカ…?

「きっかけは、ほんの些細な出来事からだったの。

それなのに…私はすごく頭にきて、君博さんが何を言っても受け入れることは無理な状態だった」

そう言った彼女の声が震えていた。