これから由美子先生はわたしが話すことを知らない。

わたしは深呼吸をすると、由美子先生と向きあった。

「実は…杉村君博さんのことを知ってるんです」

沈黙。

そりゃそうよね。

いきなり言われたら、ビックリするわよ。

「――それは、どう言うことなの…?」

間があったのは、わたしの気のせいであって欲しい。

「わたしの知りあいにその人がいるんです。

…多分、同じ人じゃないのかなって」

どうして、こんな簡単にウソが言えるのだろうと自分でも思った。