わたし、どっちがいいのかな?

君博さんを由美子先生に返すのか、このままにしておくのか――どっちがいいのだろうか?

君博さんのためにはどっちがいいの?

どうすればいいのかわからないよ…。

「ねえ、カヤ」

「何?」

何も知らないカヤの声に、
「…やっぱり、いいや」

わたしは笑ってごまかすことを選んだ。

「えー、何なのよー」

ごめんね、カヤ。

こんな隠し事が多い友達で。

でも君博さんのことだけは、どうしてもカヤに相談できないの。

心の中で、わたしは何度もカヤに謝った。