「――眠い…」

わたしは死にかけだった。

「どうしたの、そのクマ!?」

カヤに驚かれた。

そりゃそうよね、全然寝てないもん。

「いろいろあった」

「いろいろあったって…」

カヤは訳がわからないと言う顔をして戸惑っている。

君博さんがわたしのそばから離れてしまう。

最悪過ぎる悪夢だ。

わたしは、君博さんの彼女だよ。

束縛する気はないけど、君博さんの彼女なんだよ。

失恋した時、“恋人になる”って言って君博さんはわたしを彼女にしてくれた。

それからずっと、わたしのそばにいてくれた。

親友にすら君博さんの存在は秘密だけど、わたしの自慢の彼氏だ。

小さいけど、誰よりも1番大好きな彼氏だ。

だけど、君博さんは由美子先生の婚約者だった。

あの指輪は、君博さんがプレゼントしてくれたものだった。