何だ、夢か…。

ホッと安心して、胸をなで下ろした。

「――小雪ちゃん…?」

声がしたので見てみると、君博さんが目をこすりながら起きていた。

その寝起き姿がかわいい。

キュンと、音を立てて胸がときめいた。

「――起こしちゃいました…?」

何でもないと言うように、わたしは君博さんに聞いた。

「うん」

ウトウトしながら、君博さんは首を縦に振ってうなずいた。

「ごめんなさい、怖い夢を見ちゃって」

わたしは言った。

「大丈夫?」

心配そうに聞いてきた君博さんに、
「もう大丈夫です」

わたしは笑って答えた。

わたしが横になると、君博さんもその隣で横になった。

「おやすみなさい」

わたしはゆっくりと目を閉じた。

本当は、もう寝たくなかった。

さっきの怖い夢を見てしまいそうで怖かった。

ビクビクしながら、わたしは浅い眠りについた。