「ほっぺにご飯粒ついてる」

「え、どこどこ!?」

「逆の方、ちょっとおいで」

言われた通り、わたしは顔を君博さんに近づけた。

「はい、取れた」

ご飯粒を取った君博さんは得意気に笑った。

その顔、今までの中で1番好きかも…。

「あ、ありがとね」

お礼を言ったわたしに、
「どういたしまして」

君博さんは微笑んだ。


あの時の君博さん、かわいかったな。

授業中と言うことも忘れて思い返すわたしの顔がにやけてしまう。

だって、かわいいんだもん!

自慢したいくらいだもん!

わたしって幸せだ。

「じゃあ、今日の授業はここまで」

由美子先生が言った。