翌日の昼休み、わたしは屋上を訪ねた。

「お待ちしてましたよ」

大森くんは笑顔でわたしを迎えてくれた。

彼には悪いけど、やっぱり言わなくっちゃ!

「すみません!」

わたしは頭を下げた。

「やっぱりわたし、大森くんとはつきあえません!」

「…鈴木さん?」

顔をあげると、驚いた顔の大森くんがいた。

そんな顔をされると、続きの言葉が言えない。

でも今は、ためらっている場合じゃない。

「この間はあんな返事をしてすみません。

驚いちゃって、あんな曖昧な返事しかできなかったんです」

「そうだったんですか」

そう言った大森くんに、わたしは首を縦に振ってうなずいた。

「本当は…わたし、好きな人がいるんです。

それを言えなくて本当にすみません」

わたしは頭を下げた。

「もういいですよ」

大森くんが言ったので、わたしは顔をあげた。