翌日、わたしはいつも通りに学校へ行った。

「もう、小雪が突然帰っちゃうから先生に言い訳するの大変だったんだからね!」

カヤからのお叱りを受けながら、わたしは必死で謝った。

何とか彼女から逃れたわたしは廊下を歩いていた。

「鈴木さん」

その声に視線を向けると、大森くんだった。

「あ、どうも」

会釈程度に頭を下げて、彼の前から立ち去ろうとした時だった。

「待ってください」

大森くんに呼び止められた。

「はい?」

何の用かしら?

「私とつきあってくれませんか?」

このタイミングで言いますか!?

「その話は、本当にすみません」

ツッコミたい気持ちを押さえながら、わたしは謝った。

「わたし、まだ大森くんのことを知らなくて…」

「その必要はありません」

さえぎるように、大森くんが言った。