また好きになっちゃうじゃない…。

もうすでに好きになっちゃってるんですけど…。

「とにかく、帰りたくなったんです」

わたしは言った。

君博さんは微笑むと、
「何かあったら、言ってもいいからね?」
と、言った。

キューン!

ヤバい、ほれた…。

「小雪ちゃん?」

そう聞いてきた君博さんに、わたしは叫び出したい気持ちを押さえた。

もう、罪なんだからー!

「わかってます」

わたしは微笑んだ。

けど…この後に大きな嵐がくることを、わたしたちは知らない。

と言うか、今のことに幸せがいっぱいで嵐の存在に気づいていなかったんだ。