学校を飛び出して走って家へと向かっていた。

「もう何なのよ!」

大森くんからの突然の告白に、わたしは謝って逃げてしまった。

だって、わたしには君博さんだけなんだもん。

ガチャッとドアを開けると、駆け込むようにして中に入った。

「あ、おかえり」

テーブルの隅っこから、君博さんが迎えてくれた。

「…た、ただいま」

走り過ぎて息があがっているせいで、返事をするのが遅れてしまった。

「今日は早かったんだね」

何となく君博さんの声を聞いたとたんに、わたしは安心してしまった。

やっぱり、わたしはこんなにも君博さんが大好きなんだな。

「――帰りたく、なったんです」

わたしは言った。

「何かあったの?」

君博さんが聞いてきた。

ううっ、優し過ぎるよ…。