でもわたしには君博さんがいるから、大森くんとはつきあえない。

と言うか、大森くんはモテモテなのに何で数ある女の子たちの中からわたしを選んだんだろう?

「本当に、すみません!」

最後にわたしはそう言うと、逃げるように屋上を出て教室へと駆け込んだ。

「あっ、おかえり」

カヤが迎えてくれたけど、
「ごめん、カヤ!

わたし、早退する!」

「えっ、何で急に!?」

驚いているカヤをよそに、わたしは荷物をまとめた。

何か、もうダメかも!

よくわからないけど、ダメかも知れない!

「先生には何か適当に言っておいてよ」

「ちょっと、小雪!?」

引き止めようとするカヤから逃げるように、わたしは教室を飛び出した。