やっぱり、わたしは君博さん派だ。

大森くんよりも君博さんが好きだ。

「小雪ちゃーん」

「あ、はい」

わたしの肩のうえにちょこんと座っている君博さんに返事をした。

「何かいいことがあった?」

「えっ、そう見えますか?」

フフフと笑いながら、わたしはおたまで鍋を混ぜた。

「楽しそうだったから」

君博さんが笑いながら言った。

またほれてしまう…。

「君博さんがいるからじゃないんですかね」

自分でも大胆な発言にビックリである。

わたし、我ながらすごいことを言うよね…。

「うまいことを言うね」

「うまくなんかないですよー」

バカップルを越したかも知れないわたしたち…だけども、この先の不安なんて全然考えていなかったんだ。