「女の子から大人気なんだけどね」

女の子から大人気――うん、納得ですね。

かっこいいうえに紳士だったら大人気ですよね。

「でも本人は、自分の理想にあった人がいいみたい」

意外と腹黒いところがあるんですね…。

「それがどうかしたの?」

いきなりカヤに聞かれたのでビックリした。

「えっ…あんな紳士的な人、今の世の中にいないなって思って」

自分のボキャブラリーの少なさを情けなく思った。

「ま、確かにそうだろうね。

あんなに紳士的な人、大森くんしかいないもんね」

そう言ってカヤと笑いあっていたら、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。