「君博さーん、できましたよー♪」

テーブルの隅っこに座ってテレビを見ている君博さんにわたしは声をかけた。

「ホント!?」

クルッとこっちを向いた君博さんはとても嬉しそうだ。

「シャツにして見たんです♪」

わたしが見せた淡いブルーの千鳥格子のシャツはできたてホヤホヤだ。

「結構いいね」

わたしの手からシャツを受け取った君博さんは嬉しそうに笑った。

「小雪ちゃん上手だね、いいお嫁さんになれるんじゃない?」

君博さんはわたしの耳に顔を近づけると、
「僕のね」
と、ささやいた。

ボンッと、お湯が沸いたみたいに、わたしの顔が一気に紅くなった。

「も、もう!」

紅くなった顔を隠すように、わたしは両手で頬を包み込んだ。