何か、デートみたいなんですけど…。

君博さんはカバンについている小さなポケットからひょこっと顔を出して、外の景色を見ていた。

ヤバい、かわいいかも…。

デートとはちょっと程遠いかも知れないけど、わたしの心臓はドキドキとうるさいくらいに鳴っていた。

「あの…そんなに顔を出していたら、落ちちゃいますよ?」

コソッと、わたしは君博さんに声をかけた。

「そうかな」

そうかなって…落ちちゃったら困るでしょ!

「とにかく、気をつけてくださいね?」

「はい」

笑顔で君博さんが返事をした。

ヤバい、またほれた…。

君博さん、ほれさせるの上手過ぎます…。

このまま行ったら、死んじゃうかも知れないです…。

そんなことを思っていたら、あっという間に目的の場所についた。